Story-3 「法多山だんごで恋は成就するのか?」

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11月のある日、法多山に家族4人で行った。息子は、
「法多山来たら、だんごやろ。僕はだんごのことしか考えてない!」
と叫んで、お参りもそうそうにだんご茶屋めがけて駆け出していった。
だんご茶屋に着くと、私が、
「はい、だんご食べる人!」
と聞いた。家族4人のうち、私、息子、娘の3人は、
「はい!」
と元気よく手を挙げた。
「お父さんは?」
「僕はサガミでお腹いっぱい食べたからいい。」
「じゃあ、3皿ね。あとおばあちゃんにお土産一箱ね。」
と券売機で券を買った。

秋の空気が気持ちいいので、外で食べることにする。隣に若いカップルが座っていた。
「デートで法多山に来るのもいいねー。」
と息子が言っている。息子は小学4年生である。
「その前にまず付き合う人を見つけんといかんやろ。」
と夫。
「僕と付き合ってくれる人はいないかも・・・」
「はい、それは嘘です!」
と私は宣言して、息子が年上の女の子たちに囲まれている写真を携帯で主人に見せた。
「よかったねー」
と主人は素直に喜んでいた。
だんごを食べ終わると、息子が3皿分を片付けてくれたので感心する。

下山道の途中で、娘が遊具で遊びたいと言うので、遊具のところに行く。
石造りのパンダのベンチに、夫と並んで座った。
お土産の「法多山だんご」の袋を見て、主人が言った。
「これ、名物『だんご』って変体仮名で書いてある。読める?」
「変態、変態。」
と私が主人をつつく。
主人は恥ずかしそうに身をくねらせて、
「それほどでも・・・」
「そこやろ、そこ!あんた変態やろ!」
と私は心のなかでツッコミたくなるのを子どもの手前我慢した。

帰る道すがら、息子が、
「お参りしたから何かいいことあるかな?」
と聞くので、
「きっとあるよー。だって厄除だもん。」
と答えた。
息子にはいい人に出会ってほしいと願っている。娘?娘は4歳だ。まだ早すぎる。

<A.M.>




 
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